去年3月の土蔵解体のときにはかなり多くの写真を撮った。多く撮ったつもりであったが、もっといろんな角度から撮っておけばよかったと後悔しきりである。今になって写真を見ていると、現在の様子と比べることができるし、普段は見ることのない建物の内部構造を見ることもできる。とても面白いのだ。
たとえば屋根。たいていの建物で屋根には瓦やトタンやカヤが葺いてある。それは見えるけれど、その下はどうなっているのだろう。屋根裏は暗くて、ホコリだらけで、湿っていて、変なにおいがして、時にはうれしくない生き物がいるかもしれないから、できればのぞき込みたくない場所だ。だから解体のときが貴重なのである。
この写真は屋根と壁をすっかり取り去って、構造材だけの骨組状態になったときのものだ。
一方こちらは、その少し前の状態。 屋根も壁もまだ少し残っている。そして屋根が二重になっている様子がよく分かる。
同じ写真の屋根の部分を拡大したのがこれだ。 下の屋根は壁に続いていて、厚い土がしかれていた。断熱、防湿のために昔の人があみ出した工夫であったのだろう。二ヶ所に矢印を描きこんである。そこを別の角度から撮ったのが次の写真である。
その部分の様子はこのように材が交差している。 こんなのがよく見えれば 随分しゃれていると思うのだが、普段は目に見えないところであるのが残念。外側の屋根とその下の屋根との間には、かなりの空間がとってあるということだ。 昆鳥庵では、ここには現代の断熱材がたっぷりと敷いてある。そのおかげで四代目は初めての冬の厳しい寒さをしのぐことができた。夏の暑さに対する効果はまもなくわかるだろう。


